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モータの極数とは?回転数との関係と選び方

モータの極数とは?回転数との関係と選び方

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モータの極数(ポール数)は、モータ内部に形成される磁極の数を示す基本仕様で、回転数やトルク特性を左右するパラメータです。マイクロモータの設計や調達の現場では、2極と4極のどちらを選ぶべきか、極数の増加が特性へ与える影響について疑問が生じます。極数は単独で決まる値ではなく、回転数・トルク・サイズ・コスト、そして用途ごとの技術要件のバランスのなかで最適解が定まる仕様です。本記事では、モータの極数の基礎から、回転数との関係、用途に応じた選定の考え方までを順を追って整理します。設計や調達を担当する技術者が、自社の機器に適したマイクロモータを選ぶ判断軸として活用できる視点を提示する内容です。

 
監修:タキロンシーアイ株式会社電子部品営業グループ

1919年の創業以来、プラスチック加工のリーディングカンパニーとして培った高度な技術力と知見に基づき、本記事を監修しています。当部では、超小型・高精度なマイクロモータの市場動向や最新技術を常に分析し、設計者や開発者の皆様へ付加価値の高い情報を提供することに注力しています。製品の特性を熟知した専門チームとして、正確かつ実用的なコンテンツの発信を通じて、お客様の課題解決と技術革新をサポートいたします。

 

モータの磁極の数と基本ルール

モータの極数とは?回転数との関係と選び方

モータの性能を読み解く出発点が、極数の基本ルールです。極数はモータの種類を問わず使われる共通の仕様でありながら、スロット数や極対数と混同されがちな用語でもあります。本章では、極数が指し示す数値の中身、偶数で表される理由、関連する用語との違いを順に整理し、後段の回転特性の理解につながる基礎知識をまとめます。

このセクションで解説する内容

  • 極数とはモータ内部の磁極の総数
  • 必ず2の倍数で偶数となる極数
  • 極数とスロット数や極対数の違い

極数はカタログの基礎項目でありながら、関連用語との違いまで踏み込むと理解が深まります。まずは極数が指し示す対象から確認していきます。

 

極数とはモータ内部の磁極の総数

極数とは、モータ内部に形成される磁極の総数を表します。磁極とは、巻線や界磁が形成するN極とS極を指し、両者の合計を数えた値が極数となります。極数は直流モータと交流モータの種類を問わず使われる共通の仕様で、モータの構造を把握する基本指標です。カタログやデータシートでは「2極」「4極」といった表記で示され、回転数やトルク特性を読み解く前提情報となります。例えば内視鏡やカメラのレンズ駆動など、精密な動作が求められる機器の設計では、採用するモータの極数を初期段階で確認する場面が多いです。極数そのものは性能を直接示す数値ではありませんが、回転特性や振動特性を理解する起点となります。マイクロモータの選定では、極数の意味を正しく押さえておくと、種類ごとの違いを比較する際の判断がスムーズに進みます。

 

必ず2の倍数で偶数となる極数

極数が必ず2の倍数になる背景には、磁石の構造的な性質があります。N極とS極は単独で存在せず、必ずペアで成り立つ磁極です。両者の合計を数える極数は、最小値が2、以降は4、6、8と偶数で増えていきます。N極とS極が1対であれば2極、2対であれば4極と数える点が基本ルールです。

用途や設計目的に応じて、2極のモータから多くの磁極をもつ多極モータまで、さまざまな型式が製造されています。

ブラシレスモータでは、2極3スロットや4極6スロット、6極9スロットといった構成が多く採用されています。また、2:3の比率ではない16極12スロットや8極9スロット、10極12スロットなどもあり、多彩な構成です。極数が偶数で示される基本ルールを押さえておくと、カタログの仕様値を読み違える恐れを減らせます。

 

 

極数とスロット数や極対数の違い

極数と混同されがちな用語に、スロット数と極対数があります。3つはいずれもモータの構造に関わる数値ですが、指し示す対象が異なります。主な違いは以下のとおりです。

用語指し示す対象
極数モータ内部に形成される磁極(N極・S極)の数
スロット数ステータ側でコイルが配置される空間の数
極対数N極とS極を1対として数えた値(極数の半分)

極数は磁極の数、スロット数はコイルが配置される空間の数と、数える対象が異なります。極対数は極数を2で割った値にあたり、4極のモータであれば極対数は2です。データシートを読み解く際は、3つの用語を区別して把握すると、仕様の取り違えを防げます。

 

モータの極数と回転数の関係|計算式と特性

モータの極数とは?回転数との関係と選び方

極数が回転数へ与える影響は、モータの種類によって意味が変わります。同期モータでは計算式で回転数が定まる一方、DCモータでは別の要素が回転数を左右する構造です。本章では、同期モータの回転数を定める計算の考え方、DCモータの速度制御の仕組み、ブラシレスDCモータの回転特性を順に整理し、種類ごとの違いを明らかにします。

このセクションで解説する内容

  • 極数と回転数の計算式
  • 印加電圧で決まるDCモータの回転数
  • ブラシレスDCモータの極数と回転特性

同じ「極数」でも、モータの種類が変われば回転数との関わり方も変化します。まずは計算式で回転数が定まる同期モータから確認していきます。

 

極数と回転数の計算式

極数と回転数の計算式は、同期モータの回転数を求める基本式です。同期回転速度は、Ns=120×f/P(Ns:同期回転速度r/min、f:電源周波数Hz、P:極数)で表されます。回転数は電源周波数に比例し、極数に反比例する関係です。具体的な数値で確認すると、4極のモータでは電源周波数50Hzで1500r/min、60Hzで1800r/minとなります。極数が増えるほど同期回転速度は低くなり、同じ周波数でも8極なら4極の半分の回転数です。式はAC同期型モータで広く使われる基本式で、極数から回転数を見積もる際の指標となります。マイクロモータの検討においても、同期型のモータを扱う場面では、極数と周波数から回転数を算出する考え方が役立ちます。

 

 

印加電圧で決まるDCモータの回転数

DCモータの回転数は、極数ではなく印加電圧と負荷のバランスで定まります。ブラシ付きDCモータでは、電圧を上げると回転数も上がる特性をもち、極数自体が回転数を直接決める要素ではありません。実際の速度制御では、PWM(パルス幅変調)が広く用いられます。PWMはパルスのデューティ比を変え、モータへ印加する平均電圧を可変させる制御方式です。デューティ比が50%、つまりオンとオフの割合が同じであれば、回転数はおよそ半分となります。デューティ比を細かく調整することで、回転数を滑らかに制御できます。同期モータの計算式とは異なり、DCモータでは電圧制御が回転数を左右する点が特徴です。マイクロモータの分野で多く使われるDCモータでは、極数の理解とあわせて電圧制御の仕組みを押さえておくと、速度設計の見通しが立てやすくなります。

 

 

ブラシレスDCモータの極数と回転特性

ブラシレスDCモータでは、ロータの極数とステータのスロット数の組み合わせが回転特性を決めます。代表的な構成として、2極3スロット、4極6スロット、16極12スロットなどがあります。極数とスロット数が多くなるほど、大きなトルクが得られ、トルクの脈動(リップル)も小さくなる傾向です。トルクリップルとは回転中のトルク変動を指し、値が小さいほど滑らかな回転につながります。組み合わせによる特性の違いを整理すると以下のとおりです。

構成の傾向回転特性への影響
極数・スロット数が少ない構造が簡素、トルクリップルは大きめ
極数・スロット数が多い大きなトルク、トルクリップルが小さい

ブラシレスDCモータの選定では、極数を単独で見るのではなく、スロット数との組み合わせで回転特性を捉える視点が求められます。精密な動作を要する機器では、組み合わせの違いが製品性能に反映されます。

 

用途に応じたモータ極数の選び方

モータの極数とは?回転数との関係と選び方

最適な極数は、ひとつの数値だけで決まるものではありません。回転数・トルク・サイズ・コストといった複数の要件を見渡したうえで定まります。本章では、用途に応じた極数の使い分け、選定時に確認すべきポイント、そしてマイクロモータを用途に合わせて選ぶ考え方を順に整理します。設計初期の判断に役立つ視点をまとめた内容です。

このセクションで解説する内容

  • 用途で異なる極数の使い分け
  • 極数選定で考慮すべきポイント
  • 用途に合う極数のマイクロモータ選定

極数の選定は、用途を起点に考えると見通しが立てやすくなります。まずは用途による使い分けの考え方から確認していきます。

 

用途で異なる極数を使い分け

用途で異なる極数を使い分ける視点が、選定の出発点となります。高速で動く用途には極数の少ないモータ、大きなトルクや精密な制御を求める用途には極数の多いモータが選ばれる傾向です。マイクロモータの場合、求められる回転数や負荷条件に応じて、採用する種類や極数構成が変わります。用途によってモータの種類が定まったあとに、個別の性能を比べて選定へ進む流れが基本です。ブラシレスモータは型式が多く、用途に合わせて細かく選択できる特徴をもちます。用途を明確にしたうえで極数や種類を絞り込むと、要求仕様に合うモータへの近道です。設計段階で用途条件を整理しておくと、その後の比較検討も進めやすくなります。

 

極数選定で考慮すべきポイント

極数選定で考慮すべきポイントは、回転数を起点とした複数要件の整理です。まず必要な回転数を確認し、そのうえでトルク・サイズ・コスト・制御性を含めて検討を進めます。確認すべき主な項目は以下のとおりです。

項目確認の観点
回転数用途で求められる速度域を満たすか
トルク負荷を駆動できる出力を確保できるか
サイズ機器の搭載スペースに収まるか
コスト量産時の単価と性能のバランス
制御性求める精度で制御できる構成か

極数とスロット数の組み合わせは、トルクリップルや効率にも影響します。設計初期の段階で目標仕様を明確にしてから検討へ入ると、後戻りの少ない選定が可能です。極数を増やすとトルク面や低リップル面で利点が得られる一方、制御の複雑さやコスト面の検討課題も生じます。複数要件のバランスを見ながら、要求仕様を満たす極数を絞り込む進め方が現実的です。

 

用途に合う極数のマイクロモータ選定

用途に合う極数のマイクロモータ選定では、機器ごとの技術課題が判断軸となります。コギングや微振動を抑えたい医療機器や光学機器の用途、低電圧で長時間の駆動を求めるセキュリティ機器の用途など、必要とされる特性は用途で大きく異なります。コギングやトルクリップルの抑制は、精密機器に用いられるモータの設計における検討課題のひとつです。求める特性が用途で変わるため、極数の選定も用途条件とあわせて進める姿勢が求められます。

タキロンシーアイは、コアレスモータ・ブラシレスモータ・ギアードモータを揃え、用途や仕様要件に応じたカスタマイズ提案にも対応しています。極数の選定や、用途に合うモータの絞り込みでお悩みの際は、製品サイトの技術情報をご確認のうえ、お問い合わせフォームからお気軽にご相談ください。

 

まとめ

モータの極数とは?回転数との関係と選び方

モータの極数とは、内部に形成される磁極(N極・S極)の総数を表す基本仕様で、最小2の偶数で示されます。極数の意味はモータの種類によって変わり、同期モータでは回転数を定める一方、DCモータやブラシレスDCモータではトルクや振動特性に影響します。マイクロモータの選定では、回転数・トルク・サイズ・コストといった複数の要件を見渡し、用途を起点に最適な極数や種類を絞り込む進め方が現実的です。極数の基礎を押さえておくと、データシートの読み解きや種類の比較がスムーズに進みます。

 

製品情報・お問い合わせ

タキロンシーアイのマイクロモータ製品については、以下のウェブサイトで詳細をご覧いただけます。

お客様の製品開発における小型モータ選定でお困りの際は、お問い合わせフォームからお気軽にご相談ください。技術担当者が用途や要件をヒアリングし、最適なソリューションをご提案いたします。

 

 

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