製造現場や機器運用において、モータから突然異音が発生すると、設備の停止や製品不良につながる深刻なトラブルとなります。異音の種類は「キュルキュル」「ゴリゴリ」「シャーシャー」など多岐にわたり、それぞれ原因が異なります。軸受けの摩耗、潤滑剤不足、ゴミの侵入など機械的要因から、電気ノイズまで発生源はさまざまです。
本記事では、モータの異音が発生する主な原因を種類別に解説し、具体的な対策方法をご紹介します。さらに、新たにモータの購入を検討している技術者の方に向けて、異音トラブルを未然に防ぐコアレスモータの特性と、低振動・低騒音の強みについても詳しく解説します。
| 監修:タキロンシーアイ株式会社電子部品営業グループ 1919年の創業以来、プラスチック加工のリーディングカンパニーとして培った高度な技術力と知見に基づき、本記事を監修しています。当部では、超小型・高精度なマイクロモータの市場動向や最新技術を常に分析し、設計者や開発者の皆様へ付加価値の高い情報を提供することに注力しています。製品の特性を熟知した専門チームとして、正確かつ実用的なコンテンツの発信を通じて、お客様の課題解決と技術革新をサポートいたします。 |
モータの異音が発生する主な原因とメカニズム

モータの異音には、大きく分けて3つの発生要因があります。
このセクションで解説する内容
- ベアリング(軸受)のトラブルがもっとも多い
- 電気ノイズによる異音
- 機械的な摩擦や振動による異音
それぞれの要因が単独または複合的に作用し、さまざまな種類の異音が発生します。原因を正確に把握することで、適切な対策を講じられます。
軸受けのトラブルがもっとも多い
モータの異音原因として、頻度が高いのが軸受けのトラブルです。軸受けは回転する部品を正しい位置で支える役割を担っています。軸受けの組付・取付不良、潤滑剤の不足や過多、金属ボールの摩耗、ゴミの侵入などにより、異音や振動が発生します。
軸受けの異常を放置すると、最終的にはモータ焼損につながるおそれがあります。定期的な点検とグリス補給により、トラブルを未然に防ぎましょう。
電気ノイズによる異音
DCモータでは、ブラシと整流子の摩擦で発生するスパークが電気ノイズとして聞こえる場合があります。ブラシの摩耗が進行すると、整流時の火花が大きくなりノイズも増大します。以下の対策が有効です。
【電気ノイズへの対策】
- ブラシの定期交換
- 整流子の整備・削正
- ブラシ圧の適正化
電気ノイズは機械的な異音と異なり、高周波の雑音として現れるため、聴き分ける必要があります。
機械的な摩擦や振動による異音
シャフトやハウジング、ブラケットの摩耗により、軸受けが不安定になり、異常な振動や異音が発生します。また、回転子と固定子の接触、部品同士の摩擦音、共振によるうなり音なども機械ノイズの原因となります。
機械的要因による異音は、設備全体の精度や取付状態にも影響されるため、モータ単体だけでなく周辺部品も含めた総合的な点検が必要です。
異音の種類別・原因と対策方法一覧※
※一般的なモータについての内容であり、当社モータに該当する内容ではございません。

モータから発生する異音は、その音の特徴によって原因を推定できます。
このセクションで解説する内容
- 高音系の異音「キュルキュル・キーンキーン」
- ゴロゴロ・ゴリゴリといった重い異音
- 断続的な異音「シャーシャー」
早期発見・早期対応により、重大な故障を未然に防げます。以下では現場で遭遇しやすい代表的な異音パターンと、それぞれの対策方法を解説します。
高音系の異音「キュルキュル・キーンキーン」
金属間のかじる音や甲高い音が特徴の異音です。主な原因と対策を以下の表にまとめます。
| 原因 | 対策方法 |
| ころ軸受とつば面のかじり | 過大荷重の防止 |
| 内部すきま不足 | 軸と軸受けの精度確認 |
| ゴミの侵入 | シール強化 |
高音系の異音は、軸受け内部での金属同士の接触を示唆しています。放置すると部品の損傷が急速に進行するため、発見次第すぐに対応してください。
ゴロゴロ・ゴリゴリといった重い異音
大型軸受ではゴロゴロ、小型軸受ではコリコリと聞こえる異音です。軌道面や玉・ころのキズ、ゴミによる変形が主な原因となります。対策としてゴミ侵入防止、過大荷重の防止、振動確認を実施します。
この異音は内部部品の損傷を示すため、振動測定器を用いた定量的な診断も有効です。
断続的な異音「シャーシャー」
規則的に断続して発生する異音です。ラビリンス部の接触、保持器とシールの接触、軌道面の荒れが原因として考えられます。
【小型軸受での注意点】
- 軌道面の表面荒れ
- 玉・ころの表面の劣化
断続的な異音は回転周期と同期する場合が多く、回転数を変化させて音の変化を確認すると原因特定に役立ちます。
異音トラブルを未然に防ぐコアレスモータ

モータの異音トラブルの発生リスクを低減するには、設計段階から低振動・低騒音の特性を持つモータを選定する方法が有効です。
このセクションで解説する内容
- コアレスモータが異音を抑えられる理由
- 医療・精密機器分野での高い信頼性
- カスタマイズ対応で最適なモータをご提案
タキロンシーアイのコアレスモータは、鉄芯がない構造のためコギング(回転時の引っかかり)が発生せず、滑らかで静かな回転を実現します。異音発生リスクを低減する有力な選択肢になります。
コアレスモータが異音を抑えられる理由
コアレスモータは回転子に鉄芯がない構造のため、磁石との吸引・反発の繰り返しが発生しません。従来モータとの違いを以下の表で比較します。
| 項目 | 従来モータ(鉄芯あり) | コアレスモータ(鉄芯なし) |
| コギング | 発生する | 発生しない |
| 回転の滑らかさ | 回転ムラあり | 極めて滑らか |
| 振動レベル | 比較的大きい | 極めて小さい |
| 軸受け負荷 | 大きい | 小さい |
コギングがないため滑らかで静かな回転が実現され、機械的な引っかかりも発生しません。軸受けへの負荷変動を抑えやすくなるため、長期的な異音リスク低減にもつながります。
医療・精密機器分野での高い信頼性
タキロンシーアイのコアレスモータは、患者安全が最優先される医療機器や、高精度が求められる光学機器で多数採用されています。具体的な用途例は以下のとおりです。
【採用実績のある用途】
- 内視鏡の駆動機構
- 医療用ポンプ
- カメラのシャッター駆動
- 精密測定機器
わずかな振動や異音も許されない用途において、コギングレス・低振動の特性が高く評価されています。国内設計・徹底した品質管理体制により、信頼性の高いモータを提供しています。
カスタマイズ対応で最適なモータをご提案
タキロンシーアイでは、お客様の用途や使用環境に合わせたカスタム設計が可能です。要望特性が明確でない場合でも、開発段階からサポートし、サンプル提供・評価フィードバックを経て最適な製品を完成させます。異音対策を含めた技術相談から、小ロット試作、量産まで一貫した対応が可能です。
モータの異音問題でお悩みの場合は、お気軽にお問い合わせください。技術担当者が用途や要件をヒアリングし、最適なソリューションをご提案します。
まとめ

モータの異音は、軸受けの摩耗や潤滑剤不足、ゴミの侵入などが主な原因であり、音の種類によって発生メカニズムが異なります。新規購入時には異音トラブルの発生リスクを低減させるため、低振動・低騒音のモータを選定する方法が有効です。
タキロンシーアイのコアレスモータは、コギングレスで滑らかな回転を実現し、医療・精密機器分野で高い信頼性を誇ります。異音対策やモータ選定でお困りの際は、専門スタッフにご相談ください。
製品情報・お問い合わせ
タキロンシーアイのマイクロモータ製品については、以下のウェブサイトで詳細をご覧いただけます。
- 製品サイト:https://cik-ele.com/
- コアレスモータ:https://cik-ele.com/products/list/coreless_motor/
- ブラシレスモータ:https://cik-ele.com/products/list/brushless_motor/
- ギアードモータ:https://cik-ele.com/products/list/gearhead/
- エンコーダ:https://cik-ele.com/products/list/encoder/
お客様の製品開発における小型モータ選定でお困りの際は、お問い合わせフォームからお気軽にご相談ください。技術担当者が用途や要件をヒアリングし、最適なソリューションをご提案いたします。
- お問い合わせ:https://cik-ele.com/contact/







