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モータの原理とは?基本構造から種類・用途まで技術者向けに徹底解説

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モータは、電気エネルギーを機械的な回転運動に変換する装置であり、医療機器、産業用工具、光学機器、セキュリティ機器など幅広い分野で活用されています。モータの動作原理を正しく理解することは、製品開発や機器選定において欠かせません。

本記事では、モータが回転する基本原理から、DCモータとACモータの違い、さらにコアレスモータとコアードモータの構造の違いまで、新人技術者から熟練エンジニアまで理解できるよう丁寧に解説します。

モータ選定でお悩みの方や、より高精度・小型・省電力なモータをお探しの方は、最後までご覧ください。

 

モータの基本原理と回転する仕組み

モータが回転する仕組みは、電磁力という物理法則に基づいています。

電流が流れるコイルと磁石の間に働く力を利用することで、モータは連続的な回転運動を生み出します。

このセクションで解説する内容

  • モータが回転する原理:電磁力とフレミングの左手の法則
  • 連続回転を実現する整流子とブラシの役割
  • 磁界と電流:モータ回転の基本要素

ここでは、モータが回り続ける基本原理を詳しく見ていきましょう。

 

モータが回転する原理:電磁力とフレミングの左手の法則

モータの回転は、磁界中に置かれたコイルに電流を流すことで発生する電磁力によって実現されます。この現象を説明するのが、フレミングの左手の法則です。

左手の親指を力の方向、人差し指を磁界の方向、中指を電流の方向に向けると、3つの要素の関係性が分かります。

【フレミングの左手の法則の3要素】

  • 親指:力の方向(コイルが受ける力)
  • 人差し指:磁界の方向(N極からS極へ)
  • 中指:電流の方向(コイルに流れる電流)

永久磁石が作る磁界とコイルの電流方向が適切に組み合わさることで、コイルは一定方向に押され、回転運動が生まれます。この電磁力がモータのすべての動作の基礎となっています。

 

連続回転を実現する整流子とブラシの役割

コイルが回転し続けるには、電流の向きを適切なタイミングで切り替える必要があります。整流子は回転軸に取り付けられた円筒状の部品で、複数のセグメントに分かれた構造を持ちます。ブラシは整流子の表面に接触する固定された導体であり、この2つの部品が協調して電流方向の切り替えを自動的に行います。

コイルが半回転するたびに、整流子のセグメントが切り替わり、ブラシを通じて電流の向きが反転します。この仕組みにより、コイルには常に回転を継続させる向きの力が加わり、DCモータの連続回転が実現されます。整流子とブラシは、ブラシ付きDCモータの連続回転に欠かせない役割を果たしています。

 

磁界と電流:モータ回転の基本要素

モータの回転には、磁界を発生させる永久磁石または電磁石と、コイルに流れる電流という2つの基本要素が必要です。永久磁石はN極とS極の間に一定の磁界を形成し、この磁界中にコイルが配置されます。コイルに電流が流れると、電磁力が発生してコイルを押す力が生まれます。

永久磁石を使用する場合、磁界の強さは磁石の材質と大きさで決まります。ネオジム磁石のような強力な磁石を用いれば、小型でも十分な磁界を得られるため、モータの小型化に有効です。一方、電磁石を使用する場合は、コイルに流す電流を調整して磁界の強さを変えられます。

磁界の強さと電流の大きさは、モータが生み出すトルク(回転力)に直接影響します。磁界が強いほど、また電流が大きいほど、より大きなトルクを得られます。ただし、電流を増やすと発熱も増加するため、連続使用時には冷却や放熱を考慮する必要があります。

電流の制御方法は、モータの性能を左右する重要な要素です。電圧を変えて電流を調整すれば、モータの回転速度を制御できます。精密な速度制御が必要な用途では、電子回路を用いて電流を細かく調整します。これら2つの要素が相互作用することで、安定した回転力が生み出され、さまざまな機器の動力源となります。

 

モータの種類と構造—DCモータとACモータの違い

モータは電源の種類によってDCモータ(直流モータ)とACモータ(交流モータ)に大別されます。DCモータは直流電源で駆動し、制御性に優れ小型機器に多用されます。一方、ACモータは交流電源で動作し、産業用途で広く利用されています。

このセクションで解説する内容

  • DCモータの構造と種類:ブラシ付きとブラシレス
  • ACモータの構造と種類:誘導モータと同期モータ
  • 用途別モータの選び方:制御性・効率・サイズ

それぞれの特性を理解することが、適切なモータ選定の鍵となります。

 

DCモータの構造と種類:ブラシ付きとブラシレス

DCモータには、整流子とブラシで電流を切り替えるブラシ付きDCモータと、電子回路で制御するブラシレスDCモータがあります。ブラシ付きDCモータは構造がシンプルで、回転速度を電圧で直接制御できる特徴があります。しかし、ブラシと整流子の摩擦により摩耗が発生し、定期的なメンテナンスが必要です。

ブラシレスDCモータは、整流子とブラシの代わりに電子回路とセンサーで電流を制御します。機械的接触部が少ないため摩耗が少なく、長寿命で高効率な動作が可能です。また、発熱が少なく静粛性にも優れているため、精密機器や医療機器など高い信頼性が求められる用途に適しています。初期コストはブラシ付きより高くなりますが、メンテナンスコストを含めた総合的な評価では有利となる場合が多いです。

 

ACモータの構造と種類:誘導モータと同期モータ

ACモータは、交流電源によって回転磁界を発生させ、その磁界がロータ(回転子)を回転させる仕組みです。誘導モータは、回転磁界とロータの間に速度差(すべり)が生じることで回転力を得ます。構造がシンプルで堅牢性が高く、保守が容易なため、産業用途でもっとも多く使われているモータです。

同期モータは、ロータが回転磁界と同じ速度で回転する特性を持ちます。永久磁石を使用したタイプは高効率で精密な速度制御が可能であり、サーボモータなどに採用されています。誘導モータと比較すると制御回路が複雑になりますが、位置決め精度や応答性が求められる用途では同期モータが選ばれます。

 

用途別モータの選び方:制御性・効率・サイズ

モータ選定では、制御性、効率、サイズ、コストのバランスが重要です。それぞれの用途に応じて、最適なモータタイプが異なります。

用途推奨モータタイプ理由
精密位置決めサーボモータ(同期モータ)高精度な位置制御と速度制御が可能
小型・軽量化コアレスモータ(DCモータ)軽量で小型、高速応答性に優れる
大出力用途ACモータ(誘導モータ)高トルクで堅牢性が高く、長時間運転に適する
バッテリー駆動ブラシレスDCモータ高効率で省電力、長寿命

用途に応じた適切な選択を行うことで、製品の性能向上とコスト最適化を両立できます。特に小型機器や精密機器では、モータの特性が製品全体の性能を左右するため、慎重な検討が求められます。

 

コアレスモータとコアードモータの違い-高精度・小型化を実現する構造

モータの内部構造は、コイルの巻き方によってコアードモータ(鉄芯あり)とコアレスモータ(鉄芯なし)に分類されます。コアードモータは鉄芯によって磁束を集中させ高トルクを得られますが、コギング(回転ムラ)が発生する特徴があります。

一方、コアレスモータは鉄芯を持たないため、構造上コギングトルクが非常に小さく、滑らかで高精度な回転が可能です。

このセクションで解説する内容

  • コアードモータの特徴:高トルクと鉄芯によるコギング
  • コアレスモータの特徴:コギングレスで高精度な回転
  • コアレスモータの用途:医療・光学・セキュリティ分野での活用

用途に最適なモータを選択するためにも、両者の構造的違いを理解していきましょう。

 

コアードモータの特徴:高トルクと鉄芯によるコギング

コアードモータは鉄芯にコイルを巻く構造を持つため、磁束密度が高まり大きなトルクを得られます。鉄芯は磁気回路を形成し、磁束を効率的にコイルに集中させる役割を果たします。鉄芯の材質にはケイ素鋼板などが用いられ、磁気特性に優れた素材を選ぶことで、磁束の損失を抑えられます。この構造により、小型でも比較的大きな出力を実現できる利点があります。

産業用機器や電動工具など、高いトルクが求められる用途では、コアードモータの出力特性が有効です。また、製造コストが比較的低く抑えられる点も、量産品への採用において優位性となります。

しかし、鉄芯と永久磁石の間には磁気的な吸引力が働くため、回転位置によってトルクが変動する現象が発生します。これをコギング(トルクリップル)といい、微細な振動や回転ムラの原因となります。コギングは特に低速回転時に顕著に現れ、精密な位置決めや滑らかな動作が求められる用途では課題となる場合があります。

例えば、カメラのレンズ駆動や医療機器の精密制御では、わずかな振動でも性能に影響を与えるおそれがあります。そのため、高精度が要求される用途では、コギングの少ないモータタイプの選定が求められます。

 

コアレスモータの特徴:コギングレスで高精度な回転

コアレスモータは鉄芯を持たず、軽量なコイルのみで構成されています。コイルは円筒状またはディスク状に巻かれ、永久磁石の磁界中に配置される構造です。鉄芯がないため、磁石とコイルの間に磁気的な吸引力が働かず、コギングがほとんど発生しません。

特徴コアレスモータの利点
コギングほとんど発生せず、極めて滑らかな回転が可能
応答性慣性モーメントが小さく、高速起動・停止に優れる
重量鉄芯がないため軽量で、小型化に適する
効率ロータに鉄芯を持たないため鉄損が少なく、高効率な動作が可能

これらの特性により、コアレスモータは精密な制御が求められる用途で高い性能を発揮します。特に、滑らかな回転特性は振動の抑制に直結するため、精密機器への適用において大きな優位性となります。

 

コアレスモータの用途:医療・光学・セキュリティ分野での活用

コアレスモータは、高精度・低振動・小型といった特長から、さまざまな分野で採用されています。医療分野では、内視鏡のカメラ駆動や薬液ポンプなど、患者の安全性と機器の信頼性が最重視される用途で活用されています。滑らかな動作は検査時の違和感を軽減し、精密な制御は正確な処置を支援します。

光学機器分野では、デジタルカメラのオートフォーカス機構や監視カメラのレンズ駆動に使用されています。コギングレスな回転特性により、レンズ駆動時の微振動を抑え、高精度なピント調整が可能です。高速応答性は素早いフォーカス動作を実現し、撮影機会を逃しません。

セキュリティ分野では、電子錠のロック機構やスマートロックの駆動部に採用されています。低電圧でも起動可能なモデルが多く、バッテリー駆動機器の長時間動作に貢献します。省電力性と長寿命は、頻繁な電池交換を不要とし、ユーザーの利便性向上につながります。

【コアレスモータが活躍する主な分野】

  • 医療機器:内視鏡、薬液ポンプ、手術用器具
  • 光学機器:カメラのオートフォーカス、監視カメラ、顕微鏡
  • セキュリティ機器:電子錠、スマートロック、アクセス制御装置
  • 産業機器:精密位置決め装置、検査装置、計測機器

これらの用途では、モータの性能が製品全体の品質と信頼性を左右するため、高精度で安定したコアレスモータの採用が有効な選択肢となります。

 

まとめ

モータの原理を理解することは、適切な機器選定と製品開発の基礎となります。電磁力による回転の仕組み、DCモータとACモータの違い、そしてコアードモータとコアレスモータの構造的差異を把握することで、用途に最適なモータを選択できます。

特に、高精度・小型・省電力が求められる医療機器、光学機器、セキュリティ機器の開発では、コアレスモータが有力な選択肢となります。

タキロンシーアイ株式会社では、コアレスモータをはじめとする高性能マイクロモータを提供しており、お客様の用途に合わせたカスタマイズや技術サポートも行っています。

 

製品情報・お問い合わせ

タキロンシーアイのマイクロモータ製品については、以下のウェブサイトで詳細をご覧いただけます。

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